こんにちは。南の島のナースマン、デージです。
陸上自衛隊で准看護師・救急救命士免許を取得しました。
今回は陸上自衛隊の准看護師が中途退職した際、民間病院で通用するか解説します。
私自身、自衛隊退職後に定時制の夜間看護学校へ3年通い、看護師免許を取り、現在は民間病院で勤務しています。
自衛隊退職時は、何も出来ないのではないかという大きな不安がありましたが何とかなりました。
結論を先に伝えます。
謙虚な態度、真摯な態度で職員と向き合うことが出来れば民間病院でも通用します。
以下でお伝えさせて頂きます。
陸上自衛隊の准看護師とは
陸上自衛隊には准看護学院(養成所)があります。
全国に4つあります。札幌・仙台・阪神・福岡の各病院に付属しています。
大まかに公表されているのが、毎年100名前後の学生を受け入れているので各病院25名ほど入校することになります。私の時は1つの病院に25名の学生がいました。
また、第46期陸曹特技課程「准看護師」からは陸曹の入校も認められています。
令和3年の札幌病院の入校式の様子を見ると、ほとんどが衛生科隊員で陸曹もいますね。当時は陸士長のみの課程でしたが、海外と同じで衛生科重視の流れになってきている証拠ですね。
私の時は色々な職種が集まっていました。
私が学生の時は特科・衛生科・航空科・普通科・武器科と様々な職種の陸士が集まっていたので、他職種の話しを聞くのが楽しかったです。
陸上自衛隊の准看護学校を卒業すると、一般部隊(普通科や各種戦闘部隊・各衛生隊)に配属されることになります。病院勤務はほぼないです。あるとしたら、各自衛隊病院の精神科病棟での勤務ですが枠
が少なく、ほぼ病院勤務することは無理です。
選抜試験内容
私が受けた時の内容をさらりとお伝えします。
詳しい内容や具体的な勉強方法が気になる方は直接コメントやお問い合わせフォームから遠慮なく連絡下さい。
学科試験
まず1次試験で学科試験があります。この学科試験に合格しないと2次試験に進めません。
学科試験対策の勉強は人生をかけてるつもりで、勉強しましょう。
課外に勉強することになりますが、必死でやりましょう。
資格を取れる課程に進めることの有難みは、免許を取得した後に分かります。
今の私があるのも当時必死に勉強した結果です。悩まず頑張りましょう。
5教科+自衛隊課目の内容です。5教科は高校卒業程度のレベルなので普通に勉強すれば問題ないです。私は5教科の内容があまり解けたイメージがなかったのですが、自衛隊課目はほとんど解答出来ました。
5教科だけでなく、先輩や部隊で継承されている過去問を網羅している自衛隊課目は絶対に暗記しましょう。覚えるだけで点数に繋がるので自衛隊課目は必ず暗記しましょう。
体力試験
1次試験に合格したら体力検定と面接試験があります。当時の内容と今の体力検定内容が違います。
内容が変わっているので具体的にお伝えはしません。
ただ、准看護師として衛生救護陸曹として自衛官として体力は必須です。
ここで伝えたいのは、体力検定の内容に関係なく体力はつけましょう。体力さえあれば、衛生救護陸曹としてやっていけます。
体力検定ネタは面接時に話しの話題として使えます。
面接試験
体力試験後に面接試験があります。私の時は面接官3名いました。
1人は圧迫面接でプレッシャーを掛けてきます。他2人は淡々と質問してきてました。私は部隊で面接練習を相当行いましたが、圧迫面接の情報はなくて面接中に焦りました。その時はアタフタすることなく対応出来たのですが、面接後に部隊の幹部の人に話しを聞くと、圧迫面接をやる人がいるのは定石ということでした。
プレッシャーが掛かった際、どんな対応をするか、どんな発言をするか、冷静さを保てるかを評価されています。
私の時の圧迫面接は人間性を完全に否定するような内容でした。
もし、就活などの何かしらの面接がある方は圧迫面接であっても、最初から決まった流れであり、みんな同じように圧迫面接を受けていると納得し、腹を括って焦らず対処しましょう。
学科試験・体力試験・面接試験は事前準備をしっかり行いましょう。
試験が終わった後に後悔しても遅いです。試験前の一瞬一瞬に集中しましょう。
それで人生が決まるといっても過言ではありません。
業務内容
准看護師が部隊で行う業務として、演習時に第一線から治療・後送の各段階において、傷病者護救護・看護を担うという重要な役割があります。
また、救護陸曹として隊員の健康管理・演習での隊員のケガの処置や模擬患者の後走業務や搬送業務があります。
准看護師は首から下と良く言われていました。体力さえあれば何とかなります。
実際、体重の重い人を搬送することもあるので搬送する側の体力が必要です。演習中、眠くても関係ないです。目の前で苦しんで人がいるので助けないとダメなので眠気も吹っ飛びますね。
後輩の育成も准看護師の重要な役割です。後輩隊員を陸曹として育てる、はたまた准看護師希望の後輩もいるし、臨床検査技師・放射線技師に興味を持つ隊員もいます。職種関係なく同じ衛生科を希望してくれると嬉しいですよね。
自衛隊でスキルアップ可能なのか
自衛隊の衛生科の職種で資格持ちはたくさんいます。
医師・歯科医師・薬剤師・看護師・准看護師・臨床検査技師・診療放射線技師・理学療法士・救急救命士などの資格持ちがいます。
今回は准看護師の実際について説明します。
まず、スキルアップ面に関しては自己の努力でどうすることも出来ません。
部隊で行うことは、模擬人形を使用したJPTECや外傷トレーニングなどの内容です。実際にケガをした傷病者の処置などはほぼありません。あっても、演習中に足の水虫の処置・股ずれの処置です。
あとは、健康診断の時期に医務室での採血支援や臨時勤務で医務室での勤務です。
さて、この内容を聞いて如何でしょうか。色々な考えがあります。
① 何もしなくても良いから、楽な方が良い。看護技術?いらないよ。
② せっかく資格を取得したのに、医療技術が使えない。スキルアップが出来ない。
③ 資格は持ってるだけで良い。家族もいるし公務員だし安定した給料が欲しい。飛躍しなくても良い
などの考えですね。私は②の考えでした。
せっかく取得した免許(准看護師・救急救命士)があるのに、穴掘り・模擬患者を相手に処置を行い、自己満足に浸る(現役の方すいません)ことの繰り返し。
たまにある採血。当然看護業務なんかやらないし、やる環境にない。そして、やりがいを感じることが出来ない。
このワダカマリが私は相当強かったです。
部隊では定期的に部外病院の救急外来などに実習に行く機会があります。
そこでは血ガスに関することやルート作成、モニター管理を学ぶ場があります。
しかし、医療技術の習得は出来るが、救急外来で勤務している看護師たちは当然、同じことをやりながら、別業務をやってます。カルテ整理や次の患者を受け入れるための準備、書類諸々の片づけがあります。実習生は当然、そこに関与する余地はありません。ハッキリいって、医療技術以外にも看護師・救急救命士としてやるべきこと学ぶべきことはたくさんあります。
その重要なポイントが実習では学べないのです。
私は自衛隊退職の1年前から毎日ヤキモキしていました。無意味な業務の繰り返し、ひたすら穴掘りをしては埋める作業を繰り返しているようでした。
同じ小隊の曹長の方に毎日愚痴を言い、何故こんな業務をするのかと質問していました。今考えると、部隊に迷惑を掛けるだけの陸曹だったのかもしれません。
現在、資格持ちに対する事後教育の少なさは徐々に改善しているようですが、もっと部外実習を増やしたり、長期間での病棟勤務をしないと看護業務を習得することは出来ないです。
私は自衛隊退職時、経管栄養のやり方も教科書上でしか知らなかったし、ベッドから車椅子への移乗動作やオムツ交換などもやり方は曖昧な状態でした。
退職時、民間病院でやっていけるスキルは0に近い感じでした。
自衛隊でのスキルアップは病院実習・医務室での採血・消防署での救急車道場実習などがあります。
これで准看護師としての看護技術を維持することは難しいです。
外のJPTEC・JATECなどのコース受講をしても生かせるタイミングが少ないです。
色々と悩みがある方は退職も視野に入れて積極的にチャレンジ・行動してみましょう!
退職後
国家資格持ちが退職することは割と多いです。税金で取得したのに退職するな、と退職を止められます。
私も当然引き留められ、1年かけて退職出来ました。退職後の不安は当然ありました。
私は自衛隊を退職後、夜間の看護学校に通うため朝から夕方まで准看護師として病院勤務をすることが決まっていました。
准看護師として右も左も分からないし、特別職国家公務員の職を辞するということは福利厚生もガクっと落ちて年収も下がります。家族もいるし不安しかありませんでした。
今、自衛隊の業務内容でヤキモキしている方、資格を民間で生かしたい、もっとスキルアップしたい、演習での穴掘りはやりたくない。など退職したい理由は色々あると思います。
私は退職して良かったです。看護学校に通い看護師免許も取得出来たし、今は民間病院で勤務し、自己満足に浸るような訓練もありません。
何より、普通に明かりがあり雨風の当たらないところで寝れる有難みを実感しています。
自衛官は国防の要として必要です。この我慢・忍耐があるからこそ、国を守れていたということも退職して理解することが出来ました。
色々悩んでいるのであれば、退職を考慮しても良いと思います。
ただ、コロナ禍もあり世間の風当たりは強いです。簡単にお金は稼げません。
特に准看護師として民間病院に勤務するなら給料は相当低いし、総合病院などの大きいところは准看護師の採用はありません。
退職を考えているなら、看護師免許取得をすることがお勧めです。
通信課程は7年の経験があれば学校に入学出来ます。准看護師として病院勤務しながら、通信課程に通わせてくれる職場もあるはずです。
よく下調べした上で職場の上司に相談してみましょう。
あなたの自衛隊での経験は必ず活かせます。一般人からしたら自衛隊の准看護師というだけで話のタネに使えます。
ただし、退職したら准看護師としては1からのスタートです。年下に教えを乞うことが多々あります。
その際、高慢な態度はとらずに謙虚にやりましょう。
自衛隊以上に人間関係は難しいです。
自分の価値に気づき、スキルアップしていきましょう!
自衛隊准看護師としての価値は高いです。そのことに気づき、行動してみましょう。
退職しても謙虚な姿勢があれば十分やっていけます。自信を持って下さい。
ただし、看護師の世界は女性社会です。人間関係は自衛隊時代より遥かに難しいです。
まとめ
1.退職を考えているなら、看護師免許取得を考えよう。
2.あなたの自衛隊人生での経験は民間において貴重な価値に変わる。その経験を活かせ
る方法を考えよう。
3.退職しても准看護師として民間病院で通用します。謙虚な態度であれば民間病院で通用し
ます。要は自分次第です。

自衛隊を退職しても民間病院でやっていけます!
現に私は日々、問題なくやっていけてるし、日々割と楽しく看護師をやっています。
現役の方、就活をしている方、気になることがあれば遠慮なくお問い合わせフォームから連絡お願いします。
ブログ公開以降、現役の方からの相談も来るようになりました。真摯に対応させて頂きますので宜しくお願いします。
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